便潜血陽性|福岡大腸カメラクリニック|消化器内科・内視鏡内科・胃腸内科

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便潜血陽性

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大腸癌は一般人口におよそ0.08%の確率で存在しています。効率よく一般集団から大腸癌をみつけられるようにするために集団検診として行われる検査が免疫学的便潜血検査の2日法です。2日間異なる日の便で便潜血検査を行い、いずれかが陽性の場合を検査陽性者とします。便潜血検査陽性者は約1%に大腸癌がみつかり、約半数に将来大腸癌に成長するリスクのある良性腫瘍性ポリープがみつかります。このように大腸癌がある確率を高めてくれる検査ではあるのですが、大腸癌を否定するためには使えないことに注意してください。つまり便潜血健診が陰性だからといって大腸癌がないとはいえない検査になります。
この後詳しく解説していきます。

便潜血検診(2日法)の検査感度

便潜血検診(2日法)の検査感度

この表は台湾大学病院での便潜血免疫法(2日法)のデータになります。検査感度が右側結腸と左側結腸の深達度毎に示されています。やはり肛門から遠くなる右側結腸では左側結腸に比べおおむねどの深達度でも便潜血検診の感度が低くなっています。外科的なリンパ節郭清を伴う手術が必要で、命に関わる可能性も出てくるT2-T4の深達度の浸潤癌であっても右側結腸では感度が81.3%しかなく便潜血検診では18.7%もの右側結腸進行癌が見逃されていることになります。これが内視鏡的根治切除が可能な粘膜内癌に至っては残念な結果になっております。なんと、右側結腸粘膜内癌の57.7%が、左側結腸粘膜内癌の31.0%が便潜血検診で見逃されているということになります。先にも述べましたが大腸癌の一般集団における大腸癌の事前確立を0.08%から約1%に向上させてくれる絞り込みに使える検査である一方、癌を否定する能力はそこまで高くないのです。