下剤を飲まない大腸カメラ|福岡大腸カメラクリニック|消化器内科・内視鏡内科・胃腸内科

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下剤を飲まない大腸カメラ

下剤を飲まない大腸カメラ|福岡大腸カメラクリニック|消化器内科・内視鏡内科・胃腸内科

下剤を飲まない大腸カメラ

下剤を飲まない大腸カメラとは?

腸管洗浄を行わない大腸カメラという意味ではありません。消化管出血の時にやむを得ず行う腸管前処置なしの「緊急大腸カメラ」とは異なります。「下剤を飲まない」=「下剤を内視鏡を用いて十二指腸水平脚に注入する」という意味です。つまり、先に胃カメラ検査を行うのです。胃カメラは完全鎮静下に行うため眠っている間にいつの間にか小腸に腸洗浄液が注入されている状態になるのです。

下剤を飲まない大腸カメラ

メリット

  • 下剤の味を感じることがない:モビプレップやサルプレップを味のために内服できない方にオススメです。
  • 胃の膨満感が少ない:胃の先の十二指腸水平脚に下剤を注入するため注入した下剤の多くが空腸に流れ込みます。トライツの靭帯による逆流防止機構があるため、空腸に流れ込んだ下剤は口側へ逆流しにくくなります。特にビルロートI法で再建した幽門側胃切除術(胃の1/3~2/3を切除した人)の方にはオススメの方法です。

デメリット

  • 血管内脱水を引き起こしやすい:本来90~120分程度かけて内服する高浸透圧の下剤を比較的短時間に小腸に注入するため循環動態への負荷が大きいです。高浸透圧の物質が小腸に流れ込んでくると浸透圧格差のため血管内から小腸内腔へ水が移動し、血管内脱水を引き起こします。細胞外液輸液(点滴)を併用しながら行うことで血管内脱水が起こりにくくすることはできますが完璧に防ぐことはできません。そのため、頸動脈狭窄症、不安定狭心症、高度の動脈硬化症などを基礎疾患に持っている患者様には塞栓症や虚血のリスクがあります。
  • 何度もトイレに行くのは同じ:結局何度もトイレに行くことは同じで、頻回の排便に伴って肛門が痛くなったりすることには変わりがありません。胃には貯まりにくいとは言え小腸には大量の洗浄液を入れているため腹部の膨満感はある程度強く感じます。全く楽かというとそうではありませんのでメリットだらけの前処置法というわけではありません。数ある前処置法の中の一つの方法として存在しているにすぎません。ただし、適応する人を選べば一番適切な方法にもなりえる前処置法の一つです。

下剤を飲まない大腸カメラの実際

1

9:30

来院

2

~10:00

検査の説明、同意書署名、検査着にお着替え、バイタル測定、点滴ルート確保

3

10:00~10:30

静脈麻酔にて鎮静状態(眠った状態)となり、胃カメラ検査を開始。食道・胃・十二指腸のスクリーニングが終わり、鎮静を深くして十二指腸水平脚まで細径内視鏡を挿入する。メトクロプラミド1A静注し、上部消化管の蠕動を促進する。内視鏡から十二指腸水平脚に前処置下剤を注入する(サルプレップ500~700mL)。目視で注入した下剤が腸管蠕動に沿って空腸側に流れていることを確認する。逆流が起きる場合は注入速度が速いため下剤の流れる速度に合わせて注入を勧める。時間がかかるが急ぎすぎると逆流して検査中に嘔吐し、誤嚥性肺炎などのリスクが高まるため無理せずゆっくり注入する。時間がかかる場合は適宜麻酔を追加して患者様が苦痛を感じないようにする。

4

10:30~10:50

リカバリールームで麻酔から完全に覚醒し歩行ができるまで待つ。この間に十分な細胞外液輸液(点滴)を行っておく。
その後点滴によるトイレ転倒のリスクを考慮し点滴は一旦抜去するかロックして腕に固定しておく。

5

11:00~11:30

最初の排便が得られ始める。その後6~10回程度排便を得る。

6

~14:00

排液が黄色透明となり検査可能となる。

7

14:00~14:40

検査パンツに着替え、点滴を確保する。

8

14:40~

再度鎮静下大腸カメラ検査を行う。

9

15:10~15:20頃

検査終了

10

~16:00

リカバリールームで麻酔からリカバリー

11

16:00~

お着替え後、診察室で結果説明

12

16:30頃

会計を済ませ帰宅

費用について

胃カメラと大腸カメラを同じ日に行っているので九州厚生局の管轄する九州管内では保険診療適応外となります。
当院の設定価格は初診料、胃カメラ、大腸カメラ、調剤料、薬剤料を合わせて40,050円(税込)と設定しています。酸素使用量、別途個別に必要となった薬剤に関する費用は含まれておりませんので多少増えることがあります。